肥料の基礎:魚粉  

魚粉は、魚を煮て圧搾し水分と脂を抜き、乾燥・粉砕し粉状にした動物から作られる肥料で、フィッシュミール、魚粕とも呼ばれている。

窒素(N)を約7%、リン酸(P)約6%を含み、カリウム(K)は含まないがアミノ酸を多く含む有機肥料である。

油粕と同じく、元肥や追肥にも使用できるが、油粕や米糠を基本にして、魚粉を適量加えて元肥にするのが一般的な利用方法である。

魚粉を使うと野菜が格別に甘く、美味しく育つので、実を食べるイチゴ、トマト、スイカ、メロンなどの果菜類を育てるときに使いたい肥料である。

1.特徴

 

魚粉は

①魚を原料とした動物系肥料である。

➁窒素を約7%、リン酸約6%を含み、カリウムは含まない。アミノ酸を多く含み、リン酸は骨粉と同じ効果がある。

③500gで400円前後と高価な有機肥料。

④速効性があり、元肥のほか栽培期間の長い野菜には追肥としても利用できる。

⑤分解速度が安定しており流亡も少ない。

➅水はけを良くするなどの土壌改良効果もある。

などの特徴が挙げられる。

2.製造法

生魚を煮沸したのち、圧搾して水分及び脂肪の大部分を取り除いた粕を乾燥粉砕したものを言う。原料となるのは、缶詰などの食品加工場から出た加工残渣や魚屋・料理店などからでた残渣などが用いられる。

日本では毎年約15万tの魚粉が生産されている。

3.利用法

魚粉を使用した動物性有機肥料は、即効性が高く元肥や追肥として使用することが出来る。単独での施用は少なく、他の有機肥料と併用するケースが多い。

特に魚粉だけで元肥のリン酸を賄おうとすると、窒素が多くなり過ぎるため、骨粉や草木灰との併用が行なわれている。

<注意点>

①魚粉だけで元肥のリン酸を賄おうとすると、窒素が多くなり過ぎる。100~200g/㎡を目安に施す。

➁土の表面に撒いたままだと、鳥や動物、虫の餌となってしまうので良く鋤き込む。

③元肥として使う場合は、作付け2週間ほど前に散布し土によく鋤き込んでおく。

④追肥として使う場合は、畝間や株間など根が伸びていく先に穴や溝を掘って施し、覆土する。

4.菜園での利用実態

高価な有機肥料なので特別な「EMボカし肥料」の原料として利用している。果菜類や葉菜類の味をよくする肥料として使用している。

具体的にはリン酸を多く必要とする「イチゴ、スイカ、トマト、カボチャ、そら豆、枝豆、サツマイモ」などがある(2017年10月19日作成)。

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする