春から秋にキャベツやブロッコリー、オクラ、ネギ、玉ネギ、マクワウリ、ゴマなどの苗をネキリムシに食い千切られることがある。
ポットで育てた苗の植え付け後、あるいは苗を畝で育ててやっと定植できる草丈となった時に、食い千切られると愕然とするものである。
ほとんどがヨトウムシの幼虫の仕業である。ヨトウムシは、小さいうちは体が緑色で葉の裏についている。 大きくなると褐色の芋虫となり、昼間は土中や根際に隠れ夜に出てきて植物の葉などを食べる。
ネキリムシ対策として実施している例を紹介する。
(1)捕殺法
ネキリムシの被害に遭ったら、被害の拡大を防ぐために捕殺する。ネキリムシは、食い千切った野菜の周りの土中に隠れていることが多い。
周りの土を手で5~10cm程度掘り返す。土の中で身体を丸くしたヨトウムシの幼虫を探し、見つけたら足で踏み潰す。
また、ハコベでヨトウムシを誘き寄せる方法も効果がある。肥えた畑にはハコベが蔓延る。雑草として処分する前に、ハコベを集めて畝間などに置いておく。
ヨトウムシの幼虫は、ハコベが好きでハコベの中を住処とする。時々ハコベをひっくり返しヨトウムシが住んでいないかをチェックする。簡単な方法であるが、捕獲効果は大きい。
(2)防御法 以下の方法を行なっている。
①畝を防虫ネットトンネルで囲む
先ず、畝を防虫ネットでトンネルをすることが挙げられる。簡単でネキリムシ以外の防虫効果も得られるメリットもある。
(畝を防虫ネットトンネルで囲む)
トンネルの場合、完全に囲めばヨトウムシの進入を防ぐことが出来る。欠点は土壌中にいるネキリムシを退治できない。
たくさんの苗の場合は食害を受けても問題とならないが、苗の本数が少ない場合は、被害は深刻となる。
➁土壌の太陽熱消毒と畝を城壁で囲む
苗床などの比較的狭い畝のネキリムシ対策として行っている。先ず畝に水を散水しビニールシートをベタ掛けする。約1週間日光に当て土を高温にする。
(畝にビニールを敷き太陽熱消毒をする)
土壌中の害虫を死滅或いは追い出す。太陽熱消毒後、畝にプチプチやダンボール、肥料袋などでネキリムシが進入できない柵(城壁)をつくる。
(苗床にプチプチの城壁をづくる)
キャベツ・ブロッコリー・スティックブロッコリー、ネギ・玉ネギ、カボチャ、トマト、唐辛子、シシトウなどの苗床に使用している。
直播のオクラのネキリムシ対策として畝全体をプチプチの城壁で囲っている。土壌の太陽熱消毒と畝を城壁で囲む効果は非常に高い(2017年8月7日改正)。