菜園の野菜を食餌する鳥にはカラス、スズメ、カモ、ハト、ムクドリ、ヒヨドリなどがいる。今回はヒヨドリの生態や防鳥対策について述べる。
農水省植物防疫課の統計では、ヒヨドリの被害額はカラス、スズメ、ムクドリに次いで4位と報告している。
苗の段階に被害に遭うと生長が格段に遅れ、貧弱な野菜となってしまう。ヒヨドリの生態や特性を理解し防ぎたいものである。
1.生態
ヒヨドリは体長8cm、体重70~100gの尾の長い鳥である。大きな声で「ピーヨ、ピーヨ、ピー、ピー」と騒がしく鳴く。
夏は昆虫、冬は果実や種子を主食にしている。センダンや柿、カズラなどの果実(甘いもの)が好物である。サクラやウメの花の中に嘴を差し込み、密をなめる。
5月から8月にかけて公園や庭などで繁殖する。雄が卵を抱き、約2週間で孵化し、約10日で巣立つ。雛にはトンボ、蛾、甲虫などの成虫を与え、後期には果実を与える。
2.加害作物
集団で畑のキャベツやブロッコリー、イチゴ、ミカンなどの農作物を食い荒らす。農作物で被害が多いのは柑橘類や露地野菜である。
露地野菜では「キャベツ、ブロッコリー、白菜、小松菜」が好まれる。レタスやホウレン草の被害は少ない。
被害時期は「冬季(年末以降)」に集中する。理由は木になっている果実などの餌が少なくなるためとされる。場所も「林に近い畑」の被害が多い。
3.対策
確実なヒヨドリ対策は目開き2~3cmの防虫ネットを張ることとされる。我が菜園も以下の対策をしている。
(1)実施時期
冬季(12月~4月)
(2)対象野菜
キャベツ、ブロッコリー、スティックブロッコリー、白菜、小松菜、菜花。
(3)実施方法
・畝を防鳥ネットや寒冷紗、POフィルム、換気フィルムのトンネルで囲む。
・野菜の上(10~20cm)に赤い糸(テグス)を張り巡らす。
(4)注意する点
経験上降雪の後の被害が多い。降雪前に対策を行うことにしている(2017年11月8日改正)