野焼きをすると草木灰が生成されるが、未燃焼の消し炭(木炭)も副生される。消し炭(木炭)の量少ないが、土壌微生物の環境改善材として利用している。
(灰を篩った後の消し炭)
消し炭(木炭)はたくさんの細孔を持ち、土壌に施すと土壌菌(根粒菌や菌根菌など)の棲みかとなり、作物の生育に良い影響を及ぼす。
「木炭」は、昭和62年6月に地力増進法に基づき土壌改良資材に指定された。消し炭(木炭)の特徴と用途について記す。
1.消し炭の特徴
消し炭(木炭)はほとんど有効成分を含まない炭素の塊である。微細な細孔が多く、それが微生物の隠れ家となり、有益な働きをする微生物をふやす効果がある。
(1)多孔質炭素の塊、微細な細孔を多く持つ。有益な微生物増殖の場となり得る。また土壌の保水性や通気性、保肥力を改善する。
(2)微細な細孔は化学系物質を吸着する能力を持つ。脱臭剤としても利用可能。
(3)雑木や竹、野菜の茎や根の燃えカスのため簡単に粉々となる。硬い楢やクヌギの消し炭のように木炭として再利用は出来ない。
(4)微量の無機成分やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルを含む。
などが挙げられる。
2.期待される効果
消し炭(木炭)は土壌の物理性の向上、微生物の環境改善の二つ効果が期待される。
(1)物理性の向上
消し炭(木炭)の多孔質性が、土壌の
①通気性:空気の出入りが容易で、根が活発に呼吸できる。
➁保水性:植物に必要な水分を、常に保持できる。
③保肥性:肥料成分を蓄え、根がスムースに吸収できる。
を向上する効果がある。
(2)微生物の環境改善
消し炭(木炭)は微細な細孔が多くそれが微生物の隠れ家となり、有益な働きをする微生物をふやす効果がある。特に根に養分を運ぶ菌根菌を増やすには木炭が最適と言われている。
菌根菌はマメ科植物の根に根粒をつくり、大気中から取り込んだチッソをアンモニア態チッソに変換(空中チッソの固定)しマメ科植物に供給する土壌微生物。
根粒内にはマメ科植物から光合成生成物が供給され、根粒菌とマメ科植物は共生関係にある。土壌中に窒素肥料が多いと、根粒菌の働きは低下する。
3.用途
消し炭(木炭)の産出量が少ないので、特定の野菜に施している。
(1)野菜
枝豆などの豆類は、根に根粒菌が寄生するか否かで収量が大きく変わると言われているので、マメ科野菜(枝豆、インゲン、そら豆、落花生)」に施している。
(2)使用法
野焼きの際に発生する消し炭(木炭)は、ポリ袋に入れて保管しておく。散布する際は、木炭のように硬く無いので手や金槌で細かく砕く。
砕いた消し炭(木炭)を枝豆、落花生、そら豆、スナップエンドウなどの畑に少量ばらく。幅80cm×長さ3m(2.4m2)の畝に500g~1kg程度ばらまく。
(3)効果
定量的な効果は確認できていない。枝豆、落花生、そら豆、スナップエンドウなどの豆類の豊作が続いているので効果があると考えている
撤収時に根の観察を行い根粒菌と作柄との関係を調べて行きたい(2017年10月30日作成)。