肥料の基礎:米の研ぎ汁発酵液

10年前までは台所で発生する米の研ぎ汁や豆乳、牛乳、ヨーグルトのパック洗浄廃液はそのまま下水道に排水していた。

米の研ぎ汁や豆乳、牛乳、ヨーグルトのパック洗浄廃液はBOD(生物化学的酸素要求量)を排出するので下水道の負荷を増加する。

同様環境に優しい社会をつくるため、生ごみと同様発酵させ肥料として菜園で施すこととした。米の研ぎ汁発酵液は下水道の負荷を削減するために始めた自家製肥料である。

ここでは米の研ぎ汁発酵液の製造法、用途などを記す。

1.米の研ぎ汁発酵液の製造法

台所で毎日発生する米の研ぎ汁、1週間に約1回発生する豆乳、牛乳、ヨーグルトのパック洗浄廃液を5リットルのポリタンクに溜め台所で自然発酵させる。

5リットルのポリタンクが満杯になると菜園に持って行き1~2ヶ月間発酵させ使用している。

(1)原料

・米の研ぎ汁(最初の濃い研ぎ汁、発生量約100cc/回)

・豆乳、牛乳、ヨーグルトの紙パック洗浄液(発生量約500cc/回)

・発酵促進剤のEM生ごみ堆肥分離液を約5cc

(2)発酵促進剤

米の研ぎ汁に含まれる乳酸菌などで自然発酵していたが、今年からEM生ごみ堆肥分離液を約5cc添加している。

(3)発酵法

発生した廃液を5リットルのポリタンクが満杯になるまで溜め、台所に置いておく。タンクはキャップで栓をしておく。

ポリタンクが満杯になったら菜園に持って行き、別の2リットルペットボトルに移し放置しておく。1~2ヶ月間発酵させる。

2.特徴

米の研ぎ汁には白米表面近くに含まれる成分だけでなく米のかけらや胚芽のかけら・ぬかなどが入っている。白米の表面近くにはデンプンのほかにタンパク質が含まれている。

また胚芽や糠にはミネラル(灰分・無機質)やビタミン・アミノ酸・各種の酵素などが含まれている。このため、米の研ぎ汁にはこれらのいろいろな成分が入っている。

また、米の研ぎ汁には乳酸菌や酵母菌、麹菌(こうじきん)などの発酵微生物も含まれている。

一方、牛乳には動物性たんぱく質、脂質、炭水化物、あとミネラルとビタミンが含まれる。ヨーグルトも牛乳と同じ栄養素を含むと共に乳酸菌を含有する。

従って米の研ぎ汁発酵液は「米糠」とは異なるたんぱく質、脂質、ミネラルを含む液体肥料である。

その特徴は

①乳酸発酵したアミノ酸肥料液体肥料として利用できる。

➁乳酸菌や酵母菌、麹菌などの微生物を含み、土壌の生物を活性化できる。

③pH5程度の酸性液肥で土壌の酸性化や酸性を好む野菜に施肥できる。

などが挙げられる。

3.使用方法

 

葉物野菜の生長促進と防虫剤、土壌改良剤などに使用している。

(1)生長促進と防虫剤

原液を数倍に希釈し、野菜の葉面にスプレイしている。トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、唐辛子、子カブ、インゲン、人参、ネギ、玉ネギ、スイカなど。

スプレイ頻度は降雨時を除き3日に1回程度、朝一番菜園に赴き野菜の生育状態を観察しながらスプレイする。

乳酸菌を野菜の葉面に散布すると、生長促進とダニ、ヨトウムシなどに効果があるとされる。ネギの白絹病や黒腐菌核病にも有効との報告もある。

(2)アミノ酸液体肥料

米の研ぎ汁発酵液を油粕液体肥料や発酵鶏糞液体肥料の20~30%ブレンドし2~3倍に希釈する。ジョウロで火果菜などの追肥として施している。

主にキュウリ、ナス、ピーマンに施している。

(3)土壌改良剤

酸性土壌が好ましい野菜には肥料と言うよりも土壌改良剤(土壌の酸性化、悪玉の腐敗菌や病原菌の活動を抑制し善玉菌を増殖させる)としてジョウロで散布している。

ジャガイモのソウカ病の原因は放線菌、乳酸菌を入れると放線菌を殺菌できる。落葉堆肥やグリーン堆肥を施肥しないジャガイモのそうか病対策として土壌に散布している。

マメ科の根粒菌を活性化するために枝豆や落花生畑に施している。

4.今後の予定

現状の米の研ぎ汁発酵液は施肥効果の不明確や発酵速度、臭いなどの問題点がある。これ等の問題点を少しずつ明らかにして行きたい(2017年10月21日改正)

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