毎年4株のピーマンの苗を購入し露地栽培している。6月上旬に収穫を始め12月上旬まで収穫する栽培期間の長い野菜である。
(撤収時のピーマンの根)
2017年の収穫数は4株で670個(1株当たり162個)と多い。多収穫の要因として
①苗の根張りを良くし長期間の栽培に耐える根をつくる。
➁肥料切れを起こさないようにこまめな追肥と潅水を行なう。
③台風の強風に耐えられる頑丈な支柱をつくる。
④カメムシ対策をする。
などが挙げられる。
ここではピーマンの苗の根張りを良くする方法について述べる。
1.ピーマンの根の張り方の特徴
(1)ピーマンは同じナス科のナスやトマトと比較して根が細く、浅く分布している。
(2)初生根はまっすぐに伸張するが、移植栽培の場合、直根はほとんど切断される。
(3)残った直根や茎の基部から側根が多数発生し、土壌表面に広がり、後に下方に伸張し、根系が形成される。
(4)肥料不足、かん水不足になると生育が劣るので、絶えず肥料を効かせこまめにかん水することが必要である。
(5)ただし、多肥になりすぎると細根となり根を弱め、生育を阻害するので注意が必要である。
2.ピーマンの根の張り方を良くする方法
少し作業が増えるが、乾燥落葉と落葉堆肥、油粕、草木灰、米糠を深溝施肥し根を伸びやすくすることがより重要となる。
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(1)深溝施肥と全面施肥とする。
(2)深溝施肥
乾燥落葉と落葉堆肥、油粕、草木灰、米糠を投入し根を伸びやすくする。畝の乾燥を防止する。3月下旬に深溝施肥を行なう。
鍬とシャベルで畝の中心に幅約30cm×長さ3m×深さ約30cmの深溝を掘る。空き地で元肥を混和する。
1m2当たり落葉堆肥2kg、グリーン堆肥1kg、油粕100g、草木灰100g、米糠200gを混和する。
混和した元肥の1/3を溝に投入し約5cm覆土する。残りの1/3を溝に2回投入し覆土し3層にする。掘り上げた土を溝に戻しレーキで平らに均す。
(3)全面施肥
苦土石灰、グリーン堆肥、落葉堆肥、EMボカシ肥料、発酵鶏糞、油粕、草木灰を施す。追肥の回数を多くし、多肥になり過ぎないようにする。
4月中旬、元肥を全面施肥し3本鍬で鋤き込む。元肥は1m2当たり苦土石灰50g、グリーン堆肥1kg、落葉堆肥1kg、EMボカシ肥料100g、発酵鶏糞100g、油粕100g、草木灰100gを空き地で混和する。
元肥を3本鍬で鋤き込み後、レーキで平らに均し、幅1m×長さ3mの平畝をつくる。長さ70cmの角材で畝の形をM字型にし、幅95cmの黒マルチを張る。幅80cm×長さ3mの平畝が出来上がる。
ピーマンの苗の根張りを良くする方法(土づくり)について述べた。次回は追肥の方法と頻度について述べる(2018年1月26日作成)。