菜園の野菜を食餌する鳥にはカラス、スズメ、カモ、ハト、ムクドリ、ヒヨドリなどがいる。今回はカラスの生態や防鳥対策について述べる。
1.生態
日本ではハシブトガラス(全長56cm、体重600~750g)とハシボソガラス(全長50cm、体重320~680g)の2種類が多く棲息している。
ハシブトガラスは全身黒色で「カーカー」と澄んだ声で鳴く。秋から冬には、数百~数千羽もの大群で、集団ねぐらに集まって夜を過ごす習性がある。
ハシボソガラスも全身黒色で「ガーガ―」と濁った声を出す。繁殖期以外は、昼間は単独またはつがいで行動し、夜は集団ねぐらに移動することが多い。
雑食性で昆虫や種子、果実を主に食べるが、鳥の卵、ヒナ、残飯や動物の死体なども食べる。ハシブトガラスはハシボソガラスに比べて動物質の餌を好む傾向がある。
食べ物をその場で食べずに、木の枝や建物のすきまに蓄えて後で取り出して食べる貯食行動を行なう。カラスは、犬ぐらいの知能を持っていると言われている。
3月から7月に樹上や高電線の鉄塔に巣を作り、一回で3~5個の卵を産む。抱卵は雌が行い20日前後で卵は孵化する。約35日ほどで巣立つ。
巣立ちした後も、50~100日ぐらいは家族で行動する。
2.加害作物
マメ科野菜(落花生、インゲン、エンドウなど)の種を畑に播くと、人がいなくなったときを見計らって種を食べてしまう。
また落花生、インゲン、エンドウなどの発芽した幼苗、定植苗を引き抜くなどたちの悪いいたずらをする。
一番おいしい時期を見計らいスイカやトウモロコシ、カボチャ、大玉トマトの果実をついばむ。カラスの被害にがっかりさせられる。
3.対策
カラスの食害対策として
①畝に防鳥ネットを張り巡らす。
➁テグス(黄色、赤)を約50cm間隔で張り巡らす。
③案山子(人形、黒マルチの旗、カラスの模型)を立てる。
④トウモロコシの莢に網袋を掛ける。
⑤キラキラと光を反射する銀色のテープを張り巡らす。
などが行なわれている。
自分の畑で効果がある方法としては、水引糸を張ることです。 50cm間隔で、腰の高さぐらいに、黄色の水引糸を張っています。
今のところ、この方法でカラス除けの機能は果たしています。 我が菜園も以下の対策をしている。
(1)落花生
・播種後から幼苗
防鳥ネットネットをベタ掛けする。苗が大きく生りすぎるとネットの撤去が難しくなるので注意する。
・収穫2週間前の落花生
畝全体に防鳥ネットネットをベタ掛けする。風でネットが飛ばないように隅をUピンなどで固定する。
・収穫後の天日干し
収穫した落花生に乾燥が終わるまで防鳥ネットネットを掛けておく。
(2)スイカ
スイカが人間の頭位の大きさに生長したら、畝全体に園芸ネットを張り巡らす。すれすれに張ると蔓がネットに絡むので20cm位高く張る。
(3)トウモロコシ
現在は防虫ハウス内で栽培しているので対策はしていない。
(4)そら豆、スナップエンドウ、枝豆、インゲン
播種後苗が大きくなるまで畝を防風ネットや寒冷紗、POフィルム、換気フィルムのトンネルで囲んでいる。
(4)注意する点
経験上降雪の後の被害が多い。降雪前に対策を行うことにしている(2017年11月17日改正)